部外者も楽しめて勉強になる共産党史

　元共産党のお二人による部落解放同盟との対立を軸にした共産党史です。
恐ろしげな共産党用語が並ぶので部外者としては恐怖を感じましたが、
丁寧な注釈がついているおかげでとてもわかりやすかったです。

　お二人はなぜ共産党と解同が対立したかという点で論じていますが、
部外者からすると、
そもそも利害も性質も一致しない両者がなぜ初期に結託したのかという観点で読みました。
最近も共産党は反差別デモなどに紛れ込んで党勢拡大を図っているようですが、
かつては解放同盟から宮本差別集団と呼ばれていたようです。
共産党は差別を独占資本が政策的に作り上げているものとして、
部落の解放は労働者階級を先頭とした統一戦線による革命によって実現すると考えて、
被差別部落の革命への参加が目的だったようです。
。

　共産党というとリベラルな主張をしているように見えますが、
実態は新興宗教団体のような排他的コミュニティを形成し、
言論の自由はなく、
党を批判すれば反党分子などと呼ばれ非難され、
部外者を差別しています。
筆坂氏は「革命を目指しながら八十八年間も何もできない」から解党せよとの結論です。
部外者の私は革命などとんでもないと思うのでお二人の意見とは正反対ですが、
やはり解党すべきだと思います。