金管楽器中上級者向けの遊び道具

結論を先に出しておきますが、

この楽器は金管楽器初心者にはおすすめできません。


この楽器はチェコの楽器メーカー、
Josef Lidl LTR591を模したものと思われます。

ボアは11.7mm、
ベルは155mmです。

※同じベルセクションを使ってBach B188を模したモデルもあるようです。


付属のマウスピースは12Cと刻印されていますが使用せず、

手持ちのスモールシャンク、
YAMAHA 46B、
48Aで吹いています。


さて、
ロータリー式(バス)トランペットは通常主管がバルブセクションの後にありますが、

この楽器は一般的なピストン式(バス)トランペットと同様にバルブセクションの手前にあります。


また、
他のロータリー式バストランペットと比べて管の巻きが緩く、

マウスピースレシーバーからベルまでの全長が長いため、

楽器を支える左手の位置が遠くなります。

初心者にはお勧めできない最大の理由です。

※楽器の重量はマウスピース非装着で約1.5kgあります。


楽器を構成する各最小部品はコンピューター制御の工作機械で作っているでしょうから精度はそこそこですが、

その組み上げはよろしくありません。

職人のロウ付けやはんだ付けのスキル自体は問題ないレベルですが、

組立精度は全然だめです。


特に、
バルブセクションはなんじゃこりゃー、
って笑ってしまうレベルです。

ロータリーバルブケース同士を結ぶ管が歪んで接続されています。

ロータリーバルブの内蓋に、
軸受けの位置決めマーカーがありますが、

これが滅茶苦茶です。
(ホント!)
そして、
この個体だけでしょうけど、
2番抜差管を外して抜差管外管の内部を覗いたら、

ロータリーバルブケースにロウ付けされている管が、

抜差管外管とはんだ付けで重なっている部分で凹んでいるのを確認しました。

凹んだまま組み立てていったんでしょうね。

どうせ内側だから見えないだろ、
と。