もはや芸術作品

　あらかじめ言っておきますが、
この本でいう“フィギュア”とはアニメーション・フィギュアの
ことではありません。
　フィギュア＝アニメーション・フィギュアの方程式が頭の中で出来
上がっている人は注意。

　ここに掲載されているのは、
縮小版の“人間”です。
一切の妥協を許さず作成された作品た
ちは、
もはや芸術作品。
人間の写真を見ているかのようなリアルさに圧倒されます。


　２ページから３７ページまではフィギュアの写真が掲載されています。
これは全体のほぼ半
分ですが、
実際に本書を手に取れば納得するほどの充実さです。

　塑像（盛り付けで作る方法）の製作過程を２ページ、
彫刻（削りで作る方法）の制作過程を
３ページで簡単に説明してあります（２ページ＝ページ２枚分という意味です。
２ページ目では
ありません）。

　インタビューが数ページ。
最後はネットオークションの説明と出品に関する助言的なもの
――という構成になっています。


　私的には、
前半の写真だけで十分に元が取れた気がします。
私もアニメーション・フィギュ
アを作るのですが、
この作品たちにはかなり触発されました。
フィギュアを作っている人でさ
らなる高みを目指すのなら、
目を通しておいて損はないと思います。
フィギュアに興味のない
人でも、
この洗練された芸術作品に目を奪われ圧倒されるはず。


　欠点をあげるとすれば、
掲載作品のほとんどが全裸あるいは半裸であり、
数点に至っては
かなり淫らであるがゆえに、
周囲の人においそれと見せられないということでしょうか。