本当の改革は後味の悪いもの、人の「業」との戦いである

結局「改革」を行うということは、
その組織の中にいる人々の「業」との戦いになり、

本や小説以上の後味の悪さは付きまとうものである。


事業再生の場合、
今までの成功体験、
一生懸命にやっているという自負と被害意識といった「業」との戦い。


ここはファクトをもとに市場を正しく見ることのPDCAを回すことで、
正しい姿が見えてくるし、
勝ちにいけるシナリオとアクションまで
を可視化することで乗り切れる。


しかし、
打ち手が成功してくると、
社内政治バランスが狂るいだし、
「嫉妬」という「業」との戦いになり、

正しい方向までもねじまけようとする凄まじい争いになる。


そして多くの場合、
経営者は組織を「正しく導く」人事判断ができない。


逆の見方をすると、
社内政治をする人も、
改革を進める人も、
経営者もそれぞれの、
かみ合わない正義を自分になりに
持っているからだ。


そして「業」が深い上、
しばらくすると同じ判断を繰りかえてしまう、
まさに喉元過ぎればという世輪廻の世界。


「人は性善なれど、
性怠惰なり」

という人の持つ「業」を前提に、
理論ではない、
リーダーシップと経営者が判断を間違わないマネジメントシステムの
あり方についてまでたっぷりで触れられています。


特に、
ファクトをベースに経営会議にプレゼンする内容は、
キーとなるチャートをもとに本当にプレゼンの場でいるような
臨場感で引き込まれます。


マーケティングや戦略の概念や事例ではなく、
どういう観点から分析することで、
正しく市場を見て、
喜ばすかについて、

外資系のトップコンサルタントはどう見るかについて、
その片鱗が体感できます。


これを見ると、
アカデミックな本やフレームワークを羅列してある本は陳腐に感じます。


前作以上に、
改革の「中身」について場面がわかりやすく、
自分も改革の場にいるような錯覚を覚えました。


これは必読ですね！