競争戦略の全体構造が分かる本

ポーターの競争戦略54を読んだ。
マイケルポーターといえば戦略論で有名。


ある市場を攻略するには戦略が必要で、
ポーターが提唱する基本戦略には次の３つがある。


１．コストのリーダーシップ：低コスト体質の実現。

２．差別化：製品、
スタッフ、
チャネル、
イメージによる差別化。

３．集中：セグメンテーションされた市場を攻略する

では、
１~３の戦略をどう立案するかだけど、
それには外部環境を分析するための「ファイブフォース」と、
内部環境を分析するための「バリューチェーン」がある。


◆ファイブフォース
買い手、
売り手、
競争業者、
新規参入業者、
代替品から競争圧力が最も弱いポジションに移動する。
または強みを活かして独自のポジションを築く。


◆バリューチェーン
活動の基本モデルを最適化することで、
コスト優位と価値提案の強みが増す。
またポリシーに基づいた独自のバリューチェーンは模倣を困難にする。


ポーターいわく、
「戦略の本質は何をやらないかを決めること」だ。
例えば、
QBハウスはシャンプー「しない」ことを決めたし、
俺のイタリアンでは椅子を用意「しない」ことを決めた。
これをトレードオフという。
トレードオフこそ競争優位を持続させる。


一方、
トヨタに代表されるオペレーションの効率化によるコスト優位には限界があり、
戦略ではないとされる。
また競合相手を模倣し続ける行為も競争による収れんを招くため戦略ではない。


今まで競争戦略と言えば、
相手を戦って叩き潰しシェアナンバー１を目指すものだと思っていただけに、
ポーターの戦略論はとても勉強になった。
特に本書は競争戦略の全体構造が分かりやすいのでオススメしたい。