機能性を追い求めるとデザイン性が損なわれる典型

幼い頃、
母親や父親が買ってくる衣類（バッグ、
シューズなども含む）は、
全てにおいて機能を優先したものだった。

機能を優先すると言うことは、
総じてダサいということを幼少の時に知ったのだ。


そんな幼少期の苦い記憶を久しぶりに呼び覚ます商品がこれだ。
amazonのダンボールを明けると、
ずっしりとした
重みにまず驚く。
そして、
袋から出し、
全体が見えるように両手で持ち上げる。
第一声は、
「ダセェ…」だ。
なぜ、
前側
がこんなに長く、
背中は短いのか、
サンバイザーの様な透明なツバ。
レインコートは、
前側がボタンもしくはジッパーで
綴じるが、
こちらはマントの様な出で立ちになる。
胸元のマジックテープを合わせ、
フードを紐で締めると顔が濡れる面
積が極端に少なくなる。
全てがダサい。


渋々着て自転車に乗ってみる。
何故、
前側が長いのか、
マントみたいになっているのかがやっと分かった。
商品紹介の
写真にあるように、
前カゴまで、
もしくはハンドルのところまで覆って乗ってみて欲しい。
この時やっとこの商品の凄さが
分かる。
ハンドルまでポンチョが覆うことにより、
背負っているリュックサック、
ズボンや靴がほとんど濡れることがない。

レインコートみたいにボタンがついていると、
サドルにまたがると同時にジッパーが敗れてしまうし、
やぶれなくてもレイ
ンコートが車輪に引っかかってしまうからだ。
全てが機能的で計算されている。


雨の中を全く濡れずに快適に走っている感覚がなんとも気持ちいい。
傘を差し、
歩きにくそうにしている歩行者やずぶ濡れ
で自転車を乗っている人を横目に見て、
形容しがたい優越感がある。
そんな気分に浸っていると、
ダサいことなんて忘れて
しまう。


雨の日でも自転車にのって出かけたい。
出かけなきゃいけない。
そんな方は、
レインコートではなく、
ポンチョをお勧めする。