初級卒業者にお勧め　でも読む側の選択が必要

”中級〜上級者を対象に”と商品説明にありますが、
どちらかといえば初級卒業レベルにお勧めする内容です。


中・上級者には、
同じフォアハンドトップスピンやバックハンドスライスでも幾通りもの打ち方があり、
場面および自分の身体能力やスタイルによって選択する技術が異なる事を踏まえた技術解説が必要だと思いますが、
本書はそこまで踏み込んでいません。


また、
初中級者にとっては、
書かれている事が”意識”の持ち方と、
実際の物理的な動作との区別がつきにくく、
混乱する内容かもしれません。

例えば、
「トップスピンはボールの下側を狙って打つ（スィングする）」と書かれていますが、
それは意識の持ち方で、
実際のラケットとボールのコンタクトはボールの中央より上よりになるはずで、
DVDのデモを見ても決してボールの下側をインパクトしてはいません。

別の例を挙げると、
「フラットはコートと平行に振り出しまっすぐ振りぬく」と書かれていますが、
これも意識の持ち方で、
実際のスィングはDVDのデモも、
肩の高さのテークバック→インパクトの膝の高さ→フィニッシュの肩の高さと緩やかに上下動する動きに自然になります。

著者の意図する、
意識の持ち方として書かれている事と、
実際の物理動作の違いを読み分けて実践しなければ、
返って混乱してしまう内容だと思います。


逆に、
「実際のスィングはこうだけれど”意識”としてはこう考えて打てばよいのだ」と受け止めて実践できれば上達に役立つ内容だと思います。