日本の既得権益者の壁から個人を守るための制度改革

日本は「三権分立」で「民主主義」で「国民の権利が守られる」国であるべきだし、
多くの課題では一見そのように運用されている。
しかしそのシステムを運用する機能にかなりの硬直化と偏りが潜んでいる。
本書の主たるテーマは交通事故による賠償について取り上げられているが、
本質は大手保険会社や監督官庁や裁判所が、
過去の実績という経緯を都合の良く解釈しながら運用し、
その解釈が制度上かなり逸脱していても「なんの疑問の感じること無く」もしくは「確信犯的に見過ごしている」、
日本特有の「前例主義・事なかれ主義」を痛烈に批判し改善に取り組んでいる実践型の問題提起である。
非力な個人が被害者になり権力や権威と対等に交渉することは極めて困難なことである。
その時の力強いパートナーとして、
このような正義感と金銭感覚に優れた専門家の知見とサポートは非常に有効で効果的なことが想像される。
一つの社会問題の実情を把握するために大変参考になる。
そして現実的には交通事故被害者が勇気づけられる内容だ。