文献「史記」と竹簡史料による中国歴史学の進展

　中国歴史の皇帝「始皇帝」の歴史上の事実を究明する新史料による歴史的人間像の描写。

文献学と考古資料の竹簡を照合批判し司馬遷「史記」の訂正を迫る内容になっています。

秦の始皇帝の一生を竹簡の発見により「史記」との歴史的批判のもとに実像に迫る。

付録として本文に登場する歴史上の人物紹介、
参考史料・文献、
始皇帝関係年表が付きます。


但し、
出土竹簡を中心に論を進めていくが「竹簡」・「木簡」を史料批判なしに無批判に受容し使用する歴史的著述を少し危ぶむ。
「史記」との照合作業手続きについて一等史料の「竹簡」を中心に展開するも今後精密な検討が両史料には必要だろうと思う。
新説がいっぱいで今までの残虐な始皇帝像に訂正を迫る内容になっています。
歴史を検証する場合、
歴史的事実に近い時期の史料がすべての事実を伝えているとは言えない事実もある。
是非一読を。