地政学・世界史・ニュース解説として非常に有用

タイトルだけを見ると、
地政学を世界史を使って講釈する本という印象を受けるが、
地政学的観点から世界史を地域ごとに解説するものである。

平易な口調で語られ、
非常にわかりやすい。

ただし、
本書「プロローグ」において著者も断っているが、
地政学の理論についてはあまり言及していない。

そのため、
本書のみで地政学の勉強が完了するわけではないため、
別の本も併せて読むとよりよく地政学を学ぶことができるのではないか。

本書の最後に地政学の本の紹介も非常に参考になる(ちなみに私はそれを参考に、
現在、
曽村保信『地政学入門』を読んでいる)。


地政学そのものには関心がない人でも、
今ニュースになっている問題の歴史的な経過や、
関係各国の利害関係などが良くわかるので、
時事問題についてよく知りたいというだけでも、
非常におすすめの1冊である。


したがって、
以下に挙げるような人は本書を読むと良いのではないだろうかと個人的には思う。

・地政学に興味がある。

・地政学の理論は把握したけど、
実際に国家がそういう動きをしているかがよくわからない。

・世界史を勉強し直したい。

・ニュースを見てもあまりピンとこない、
又はその出来事が起きている原因や背景がよくわからない。