最高の鉄の芸術、「日本刀」。

特集「美しい刀」を取り上げる。

刀剣ブームで、
出版されている本は多いが、
内容の濃さ・写真の深み、
綺麗さにおいて抜け出ている。

「美しい刀」という名は体を表している。
粋であり撮影がどれを取ってもとても良い。


歴史・刃紋等の説明から始まる。

各美術・博物館の展示スタイルというのがあり、
これが興味深い。

京都国博では、
ハバキ（鍔元の金具）を外して展示する。
外に持ち出すときは拵（外装）を付けるが、
いつもは白木の鞘に納めている。

刀を展示する際の白布の掛け方も各館違っていて、
ボックス型あり柔らかい流れるような襞を出す処もある。
これは実に美しい。


名刀の立ち姿は、
美しい。

そのプロポーションには、
一切の破綻がない。

国宝指定の「則国」という京刀の最高峰がある。
名匠の作に大幅な改変が加えられ乍ら、
それは美しい。

この刀を現在まで守り伝える過程で、
色んな無名の工人の手が加えられている。

それでもなお美しいのは、
守ってきた人々全員の美意識と見識の高さがある。

名物、
「骨喰藤四郎」も同様である。

それは、
文化の深さを物語る。


日本刀の主材料となる「玉鋼」（たまはがね）は、
「たたら製鉄」で生み出される。
１３００年に亘って伝えられてきた「たたら」復興が語られている。
それは、
ローテクであるが現代の最先端技術でも及ばないハイテクな何かが存在している。
それは感性、
勘、
経験そして根性だそうである。