鼻血なんてどうでもいい

なぜ鼻血の描写がそれほど叩かれるのかわからない。
疲労が蓄積すれば鼻血くらい出るだろう。
瓦礫の埃で鼻粘膜が炎症を起こすこともあるだろう。
福島での疲労感を出血というインパクトのある手法であまり深く考えずに表現しただけのこと。

ただ、
原作者は放射線をあまりにも恐れ、
１ｍシーベルという国が決めた基準にこだわりすぎている気がする。
普段からある他のリスクと比較してもっと冷静にリスク評価すべきだ。
他のリスクに比較すれば、
発がん性が確認されていない年間20mシーベルトを許容するのは現実的だと思う。
例えばタバコを日常的に吸えば10年もの寿命が縮まることには筆者はどう思っているのだろうか。
このレベルの放射線ならタバコの副流煙のほうが発がんのリスクが高いくらいだろう。

それよりも、
福島の真実のほうが重要な問題だ。
放射線の影響を科学的に分析し、
居住可能と不可能の地域を分ける。
現在居住不可能の場合では、
将来、
どれくらいで戻ることができるのか明確にする。
それが、
１年後なのか10年後なのか100年後なのか1000年後なのかいい加減はっきりさせるべき。
戻れないなら、
戻れないことをしっかりと認識するべき。

いつまでも、
仮設住宅に住むのではなく、
けじめをつけて、
他の場所で住むという選択を決断すべき。
他の場所に移住するのは特に被災地でなくても一般的に行っていること。
いつまでも、
いつまでも、
もう取り戻せない場所にこだわって人生を無駄にするのはもったいない。
農業をするにしても別の場所で行うことも大変ではあるが可能なはずだ。

もちろん、
回復可能であるならできるだけ回復させるのは望ましい。
でも本来はゼロベースで考えて、
その場所にその施設を再建するのが労力とコストに合うのか考えるべき。
あきらめて、
捨てるべきものは捨てることも勇気をもって決断すべき。
これは福島に限らず、
様々な災害や事故についても言えることで、
もっと現実的に考えるべきだ。