作刀の大変さがわかります。

『再生』もの、
ではありません。
あくまで燭台切光忠という刀をモチーフに、
現存する資料と刀匠の方の想像で作刀された、
刀の本です。

写し、
ってこんな感じかな?　刀匠の方は実刀公開を見る事が出来なかったそうです。
取材された方が注文された一振りなんですが、
写真の数がすごいです。
玉鋼を下ごしらえするところから始まり、
事細かに一振りが形になるまでを追っています。
これだけの手間をかけて打たれるものなんだなというのが判ります。

写真はきれいで、
しっかり追っているので作刀工程などを知りたい方にはおすすめです。

途中途中に戦国武将と刀の話が入り、
最後の方に出来上がった刀の画像。
これも表紙に書いてあるとおり、
刃文をあますところなくきれいに見えるように写されています。
打ち上がった刀を取材者とご友人の他国の研究者の方と鑑賞してるんですが、
その温度差がなかなか愉快でした。
取材者の人、
よっぽど嬉しいんだろうなという。
言葉は悪いですが、
自分の刀が出来るまでの渾身のフルカラー同人誌を、
商業ベースにのせちゃったみたいな?
でも写真のきれいさ・作刀の詳しさと、
最後の鍛刀された刀の美しさ。
再現にかけた刀匠の方の想い。
それがつまった本だと思います。