民衆と企業と当局の利益共同体の枠組みの中で発展したエンターテイメント
日本の軍歌の歴史を扱った本である。
年配の学者が書いたのだろうと思っていたら、
著者は1984年生まれとあり、
ちょっと驚いた。
しかし、
多少気になるところはあるものの、
中身はよくまとまっている。


1885年が日本の軍歌のいわば元年だという。
フランスの「ラ・マルセイエーズ」やドイツの「ラインの護り」が困難な戦いにおいて国民を束ねる役目を果たしたように、
日本でも日清戦争に向かう流れの中で軍歌が多く誕生してゆく。
明治に作られた軍歌はある調査では2621曲、
そこからもれているものも考慮すると3000曲以上という。
七五調の歌詞という枠組みを使って、
当初は留学帰りのエリート達から一般大衆、
さらには明治天皇も作詞をしており、
幅広く国民に受け入れられてゆく。
主要な戦いや、
武勇伝と共に戦死した英雄は、
すぐに歌になり、
日露戦争終結までブームは続く。
また、
この軍歌の流行は日本から東アジア地域に広く伝播する。
当時作られた「日本海軍」という軍歌は北朝鮮で歌詞が入れ替えられ、
金日成作詞作曲「朝鮮人民革命軍」として現在でも親しまれているという。


文部省唱歌にも軍歌は取り入れられてゆく。
また、
ラジオ放送、
SPレコード、
大衆雑誌、
映画の4つのメディアの普及も後押しする。
昭和10年と11年の日本のレコード製造枚数は世界一で、
音楽雑誌も多く、
日本は音楽大国だった。
このような中で第2次軍歌ブームが到来する。
軍歌は体制から押し付けられたものではなく、
大衆、
レコード会社、
当局の思惑が一致して一大産業を形成する。
五一五事件を発端に始まった検閲にもレコード会社は自主的に協力し、
発禁処分が乱発されることはなかった。
「露営の宿」は60万枚、
「愛国行進曲」は100万枚以上売れる。
毎日新聞と朝日新聞は争うように懸賞によって新しい軍歌を募集する。
佐々木信綱、
与謝野寛(与謝野晶子の夫)、
滝廉太郎、
山田耕筰など多くの名前が登場する。


「音楽は軍需品なり」。
1941年に海軍報道部大佐がなにげなく口走った言葉が、
音楽など無駄ではないかと言われ始めていた総力戦体制の中で音楽業界が生きる光明となり、
日本は戦時体制の中で軍歌大国となってゆく。
日本の軍歌 国民的音楽の歴史 (幻冬舎新書)

その他の感想

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やっぱり速いですね
写真とサイズが違いすぎる
パチェ可愛い
これだいすき
予約購入しました
50枚より、少し割安になるのがいい
丈夫なつくり
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自動で圧縮はうれしい
トゥデイ に付けてみましたが。。
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電池1本が気に入った。
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これはないわ
使い勝手がよい
フランス現代思想の基礎固めには最適の一冊
自然な仕上がりに!!
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