諍いと和解―アメリカ独立戦争を舞台に

読み終わったとたんにすぐに続きが読みたくなった。

この焦燥感はまさに第2巻以来。

直前の3巻はその巻の中で問題や事件が（3巻共通の問題を除いて）
解決していたから、
良くも悪くも安心して読めた。

だが今回読者は大いに心配させられることになる。


物語はウィリアム（ロード・ジョン）、
ジェイミー＆クレア（ヤング・イアン）、

ブリアナ＆ロジャー一家と交互に進み、
冒頭は少々じれったく感じる。

しかし、
独立戦争では“ペンは剣よりも強し”を実践するはずだったジェイミーが
クレアと共に大陸軍に将校として従軍し始めてからの中盤以降、
物語は大きく展開する。

なにせ英国軍側には決して会ってはならない息子がいるのだ。

二人はニアミスを繰り返し、
今度こそとうとう出会ってしまうのかと最後まで気をもませる。


そしてこの物語が歴史小説でありタイムトラベルものでもあることを読者は思い知らされる。

1980年のスコットランドで現代の生活になじもうと苦闘するブリアナとロジャー。

穏やかに思えた彼らの生活に思いがけない人物が現れ、
心脅かされる出来事が起こる。

彼らは無事なのか？無事なことが分かる日が来るのか？

さまざまな未解決事件に新しい登場人物、
日常の心楽しいエピソードを交え
（ウィリアムとモホーク、
ジェイミーの眼鏡、
ジェミー坊やとゲール語等）、

次巻が待ち遠しいことこの上ない巻となった。