論理的な思考力こそ土台

TOPIKの作文問題に特化した対策本です。
四章からなり、
第二章で著者の主張する「土台」の考え方こそがこの本の大きな特徴だと思います。


なるほど、
韓国語の文法を身につけ語彙を身につけ聞き取り能力を伸ばしても、
自分が関心を寄せ意見を持って論理的な思考でまとめあげなければ、
人さまに伝わる文章を書くことはできないということです。
高度な韓国語能力と論理的な思考をもってすれば、
直接に韓国語で考えて作文することは可能かもしれませんが、
筆者は先ずは日本語で考え論理的にまとめあげることが必要だと言っています。
自身を省みれば、
日本語であっても論理的に考えをまとめて人に伝えることは難しく、
できているのかと問われれば、
出来ているとは言えません。


「土台」という言葉を用いたところに、
著者の考える韓国語学習のその先の目標があるように思いました。
道具を使うには意思と思考が必要なのだという韓国語能力試験の方向性にまでも気づかされ、
受験に迷う方々の背中を押す1冊でもあるように思います。
その上で、
テクニック編、
実践編と、
本番までの実際の練習課題も充実しています。
模範解答はそれだけで自然な韓国語文章の見本になり勉強になります。


それありながら、
最後までやり遂げられるだろうかという重圧を感じさせない大きさと厚みで、
取りかかりやすい雰囲気の本です。
作文対策に苦慮されている方にも、
それなりに満足のいく作文を書かれている方にもお勧めできる一冊です。