丸谷才一！

この人のを収録してくれたのが嬉しい。

他の巻で、
モダニズムの定義を池澤夏樹は丸谷才一を引き合いに出して説明している。
結構池澤自身も丸谷才一のファンなんだろうと思う。
丸谷才一のの文学知識は凄まじい。
しかもウィットとユーモアに富む。
僕も大好きだ。


感想…

口訳万葉集：あっさり終わって拍子抜け。
しかしはっきり「傑作」「佳作」と書いてあるのは良かった。
「傑作」は単に人口に膾炙しているだけでなく、
本当に良く出来ている。


百人一首：ごく普通の入門編。
高校生が読んでもいいと思う。
しかしこれ読んで興味持った方「田辺聖子の百人一首」をご覧あれ！こんなに奥が深いのかと。


新々百人一首：丸谷才一ワールド全開。
最高じゃないっすか！「忠臣蔵とは何か」に見られるように、
この人の物事の本質を突く力、
看破する才能には凄い物がある。


確かに、
定家編纂の小倉百人一首は半ば遊びで作られた処がある。

　吹くからに　秋の草木の　しをるれば　
　　　　むべ山風を　嵐といふらむ　　　文屋康秀（22番）
例えば此れがそう。
「山」と「風」で嵐、
っても一発ギャグの域を出ていない。

だからこそ、
相当な時間を費やして丸谷は‘俺がやる’と「新々」を編纂したわけだ。