バンドの地力が表れたシングル

とかく派手さを売りにするバンドが多い今日この頃…その中でそんな流れとは無縁の音楽をマイペースに続けているのがミツメです。

スカスカなサウンド、
抑揚のない曲展開、
やる気なさげな歌声…と書くとまるでいいところなしのバンドのようです。
しかしそれらは実際はむしろ長所なのです。

このバンドの武器はサウンドプロダクション、
一聴するとつかみどころがないようで実はとても良いメロディー、
そして何より卓越したグルーヴです。

本人たちや曲の表面から漂う飄々とした雰囲気とは裏腹に、
どの曲も最小限の音数で、
その音数でなければ生まれないストイックなグルーヴを形作っています。

そしてそのグルーヴを堪能できるのが、
近年の彼らの曲群の中でも一層音の少ないこのシングルなのです。
特に表題曲にそんなバンドの地力がはっきりと表れています。

はっきり言ってミツメの音楽は一聴すると地味に聴こえるとは思います。

しかし聴きこんでいくことでその真価に気付いてゆき、
いつしか抜けだせなくなっていく底なし沼のようなバンドなのがミツメなのではないでしょうか。