モダンホラーの帝王によるサスペンス小説

Ｓ・キングには珍しい長編ミステリー作品です。

引退したアナログな元刑事が、
デジタルネイティブでITを駆使する無差別殺人鬼を、
追い詰めていきます。

IT知識が皆無で運動不足気味な元刑事では普通に考えると犯人に太刀打ちできなさそうですが、
近所に住んでいるハーバードを目指す聡明な黒人少年がしっかりサポートします。

スローテンポの序盤は忍耐が必要ですが、
中盤から後半にかけて面白さが加速します。
最後まで結末がどうなるか全く予想できません。

いかにして殺人鬼Mr.Mercedesが誕生したかについても、
彼の陰惨な過去の「事故」と「事件」を濃密に描写しており、
犯人に対する若干の同情も感じられるほどです。

楽しめました。
続編の「FINDERS KEEPERS」も楽しみです。