工夫は見られるが、詰め込みすぎて分かりにくい

まえがきで著者は、
本書は入門書として制御理論の基礎事項を
平易にまとめたものであると書いています。

まとめたのは確かですが、
平易であるかは疑問です。

大学の講義であれば、
教科書として利用することはできますが、

この本で独習しようとすると、
かなり苦労します。

図を多用し、
各項目がそれぞれどのような関係にあるのか説明していますが、

式の途中の計算が書かれている場合もあれば、
省略されている箇所もあります。

説明文も途中でいきなり結論に近いことが書かれていて過程、
理由が
書かれていないことがあります。

演習問題が少し掲載されており、
解答解説もありますが、
理論同様、
途中の計算、

過程が省略されているものがある。

演習問題と解答解説を収録し図を多用しながら、
わずか180ページほどに、

まとめようとしたため、
詰め込みすぎてかえって分かりにくくなっています。

演習問題は、
森 泰親の演習で学ぶシリーズがおすすめです。