もはやアップグレードではない

この巻から、
原作第二部相当のエピソードが本格的に開始します。
しかしながら、
この辺りから作画の問題が本格的にひどくなります。

今までも作画は決して誉められたものではありませんでしたし、
アップグレードというよりも「商品として最低限の品質すら保てていないニコニコ版を、
辛うじて売り物と呼べるレベルにした」と言った方が正しい代物でした。
しかしながら、
第二部に入ってからの修正は、
「売り物と呼べるレベル」にすら達していません。

この巻の収録内容でまず目につくのは、
OPにてダークキングダムのキャラがブラックムーンに、
ムーンキャッスルとクイーンセレニティがちびうさとセーラープルートに差し替えられているにも関わらず、
セーラームーンのアイテムがムーンスティックのままなところです。

その一方で変身前の五人が順にクローズアップされるところにはなぜか修正が入り、
しかもその結果美奈子などは余計に表情がおかしくなっているのですから、
スタッフが何を考えているのか全く理解できません。

これだけならまだいいのですが、
Act. 15の文化祭のシーンでは、
看板の「巫女」の字が間違っているのに修正が入っていませんでした。

レイの通うTA女学院に実在のモデルがあることはファンの間では有名ですから、
このような漢字間違いをする生徒がいるような学校だと思われてはそちらの学校にとってもひどい風評被害でしょう。


旧作にも作画のミスはよくありましたし、
セルアニメの時代なので修正もなされずそのままソフト化されています。

セーラームーンという作品に合わなかったり、
キャラクターデザインから大きくずれた画風の作画監督が担当した回も少なくありません。

ですが、
いいものを作ろうとしているという意識が作品全体から感じられたので、
ファンの多くは受け入れています。

それに対して、
この新作における作画や修正の行きとどかなさからは、
やる気のなさや作品への愛情不足がかいま見えてしまいます。


以上の点だけでも「買う価値なし」と断じるには十分だとは思うのですが、
以下で内容を紹介しつつ、
可能な限りいい部分を探してみます。


第一部のような大きな改変(改悪)もなく、
おおむね原作通りに進んでいきます。