女性にこそ読んでほしい

女として、
この本をより多くの女性に読んでほしいと感じた。

女を単なる性欲の捌け口、
道具としか見ていない男は現実に存在する。

恋した女は男の一挙一動に翻弄され、
悩み、
この人は本当に自分のことを愛しているのではない、
自分は都合のいい相手なのだと頭では分かっていながらもなお微かな望みに期待し、
信じようとする。
まさに盲目になり、
本質が見えなくなる。
男が垣間見せる優しさ、
甘い言葉だけを見聞きし、
いつかは愛してくれると信じて疑わない。

自分がどんな扱いを受けているかということにまるで気付かずに、
、
、
そうやって、
自分を愛してくれない男にのめりこむ女は少なくない。


この本は、
そんな男側の頭の中を女側にも惜しげもなく披露してくれている。
どうすれば良きパートナーを手に入れられるかというお互いの幸せの為ではなく、
「どうすれば女とヤれるか」「女はこうすれば思い通りになる」という男の性欲、
征服欲を満たすためのハウツー本。

本の中で書かれている女の性質や、
考え、
価値観など、
著者は本当に良く分かっているなという印象を受けた。
女目線から見て、
ここに書かれているテクニックは確かに有効で、
女はこのような男を求めているところがある。

しかし、
この本で描かれる女たちは、
男に攻略されるための単なる道具であり、
無機質な物体でしかない。
彼女たちは「女」というロボットであり、
感情も、
人生の背景も、
何もない。
正確には、
この本の語り手である男が、
彼女たちをそのような目でしか見ていないため、
彼女たちの感情なんて描かれるわけはない。

小説の登場人物として、
非常に薄っぺらく、
ぺらぺらな彼女たちの存在。
名前すらも、
次のページをめくれば忘れてしまう。
彼女たちの扱われ方に、
同じ女として不愉快な気分になりながらも、
これは小説の中だけに留まる話ではないと気付く。
まさに、
女を性欲の捌け口、
道具としか見ていない男の頭の中をそのまま除き見てしまった感覚になり、
ぞっとした。
更に、
ようやく目が醒めたような感覚にもなった。
もちろんこのような男性ばかりでないことは百も承知である。


女は、
生命を授かる身として、
身体を安売りするべきではないし、
男の欲求を満たすためだけの道具としてこの世に女としての生を受けたわけではない。