分かりやすい箇所と分かりにくい箇所が両極端

本書は３部構成で、

パート1……導入的、
まえがき的な文章。

パート２……発音記号の発音解説。

パート３……リエゾン。
まとまった長文が出てくる。
和訳は勿論、
語句註釈もあるので単語が分からなくても大丈夫。


パート３は重宝したのですが、
パート２がイマイチ。

例えば、
P56でLを「舌先を歯のつけ根につけて声を出しながら離す」とあるが、
これでは理解できない。

歯ってどこの歯？ 歯の付け根って具体的にどこか図を。

文末も、
単に「離す」ではなく、
「舌を離す」と書いてくれないと理解しづらい。

これは一例で、
たびたびこうやって説明不足のものがある。
もちろん、
分かりやすく説明されているものもあります。


なお、
リエゾンの説明があったり、
日本語にもリエゾンがあることを説明しているのは良かった。
「英語ってなんでこうやって音の脱落とか連結とかするんだ、
めんどくせえ」と思っていたら、
実は日本語にもあったということで、
これは仕方ないな、
と。
今僕が書いた「めんどくせえ」も、
正しくは「めんどくさい」ですしね。

ひとつ要望があるとすれば、
「リエゾン」には、
「（音の）連結」という日本語訳を書いて欲しかった、
そのほうがどういうものか理解しやすいので。


あと発音とは関係ないが84〜85ページの「ちょっと横道」での前置詞の話はタメになった。


この発音本は、
発音の基礎が出来ている人（＝説明が不足していても理解できる）がやるといいかな思う、
つまり２冊目として効果を発揮するものだと思います。

僕は他の本で発音を学んだ後に、
本書をやり、
説明不足の本書のパート２は１冊目の本と併用し、
その後に本書のパート３をやり込みました。