出だしはものすごく興味深かった。

当方、
精神科医です。


出だしはものすごく興味深かった。


占い師が信用されるメカニズムについては一読の価値あり・・・と。


が、
最後まで読んでかなりがっかりした。


自分なりの感想をまとめると、


・ＮＬＰとかが好きな人の本書の印象：　　底が浅い
・ＮＬＰとかが嫌いな人の本書の印象：　　怪しい

となると思います。


行動心理学などの、
あるていど科学的妥当性の認められる事柄と
インチキ心理学の域を出ない事柄が並列に述べられている点が気になる。


このために、
いい加減な情報（血液型云々・・）も価値のあるものに見えてしまうリスク、

価値のある情報も、
信憑性が薄れてしまう残念さがあるか。


筆者の理解力、
情報選択能力が十分ではないな、
と感じました。


インチキ占い師や詐欺師からの自衛としての本書の意義を強調する一方で、

そのようなインチキの使用を推奨すると取られても仕方の無いような内容もあり、
軸がブレている感も否めない。


インチキ占い師のやり方を就職活動に応用するとは（笑）・・・
ちなみに、
このくだりの実例は、

自分が面接官なら「話をすり替えてばかりで、
詐欺師みたいな話し口だな」という印象を受けるような
受け答えでした。
（実際にこの個所を読んでみれば、
自分の言ってることが分かると思います）

あと、
著者の経歴がハッキリ書かれていないのも、
個人的にすっきりしなかった。


結局、
占いとかに素直にだまされてしまう人と同じ層の人が
こういう方の信者？になるのかもね。


酷評してしまったが、
当初の着眼点自体は悪くないとは思いますよ。

ただ、
先に述べたように、
主張の姿勢を首尾一貫してほしい。