偏ったリサーチしかしていない

毎年いくつ厳密に日本で「判例」なるものが生み出されているかわからないが、
そのなかから「重要」だと価値の秩序をつけて選び出し、
ジュリストという法律実務家であれば必ず購読している日本の代表的な法律専門誌に、
「ＸＸ判例の動き」と書く。

ということは、
日ごろから日本の全部の活字になった「判例」を読んでいる、
徹底的なリサーチを欠かさない研究者がいることになる。
このようなリサーチとその評価をするためには、
たいへん勤勉に精勤しなければならないので、
この忙しい時代まことに貴重で、
おおいに参考にしたい。


と書きたいところだが、
じつは「ＸＸ判例の動き」を各分野で書いている先生には、
リサーチが必ずしも十分ではない人がいる。

これが最近の「重要判例解説」。
　とくに読者の注意を喚起しておきたいのは、
憲法と商法。
憲法は、
解説が著しく特定の思想に偏っている。
事実を精密にみていない。
商法は、
もっと下級審まで徹底的に取り上げないとこの時代の流動化する会社法プラクティスの実像が描けない。


以上。