既存の怪談話に飽きた方へ(軽くネタバレ)。

いずれの作品も中々に興味深い内容だったので、
少々乱暴な括りではあるが、
分類して紹介させてもらう。


人に似てそれとは異なる存在。


お巡りさん
ゲイシャ
燐光

情報提供者のその後が気になる。


双眼鏡
耳鳴り
また聞き

タイトルからは想像も付かないおぞましさの

バットマン

時間軸の狂った空間に迷いこんだ話

行き違い

体験者が遭遇した理解不能な事象

首
黒煙
キャンプ合宿

ざっと挙げてみたけれど、
全編を読み終えての感想は、
はっきりとしたオチが有るにも関わらず、
何となくモヤッとした気分にさせられた話が多かった事。


怪異を扱う上で、
一発芸的なオチに重きを置くか、
それとも謎は謎としてその結末は読者の想像に委ねるのか。


この手の怪談本を上梓する人物にとっては、
どちらかに偏る事を避ける余り、
作品の主体が散逸するというリスクも犯しかねないから、
その匙加減には、
かなり腐心していることだろう。


今後も高橋氏の得意とする会話を多用した文体で日常の空間に潜む"魔"に鋭く斬り込んで行って欲しいと願う。