3Dゲーム「未経験者歓迎」

システムは前作準拠で、
グラフィックやミュージック（効果音）は使い回し多数、

難易度は初代スーパーマリオに対してのマリオ２ほどではないが割と高めだ。

つまり、
前作スーパーマリオギャラクシーの正統な続編であり、

ファミコンのスーパーマリオに対するマリオ２の位置づけに近い。


そういった表面上での新鮮味は前作をプレイ済みの方には薄く感じられるだろうが、

やり込んだ人でも、
本作から溢れ出てくるギミックの多彩さには舌を巻くだろう。

他のメーカーならば、
これでいったい幾つの新しいゲームを作れるんだ？というほど、

新規かつ珍奇なアイデアが満載であり、
「おもちゃばこを引っ繰り返した」かのよう。


だが、
わたしが本当に感激したのは、
DSやWiiのNewマリオからマリオの世界に入った、

あるいは久しぶりにカムバックした人に向けてのサポートであった。


このゲームの序盤は、
3Dゲームにもかかわらず、
何と完全な2Dの世界からスタートする。

2Dから徐々に奥行きをもたせ、
プレイヤーに広がった世界を歩かせて立体を認識させ、

そしてじわじわと完全な立体の世界に入らせて行くステージ構成になっているのだ。

他にも、
2D→3Dへの移行を限りなく自然な形でユーザーに飲み込ませてあげたいという
ささやかな（と思わせ、
凄く執念深い）気配りは、
無数に配置されている。

本作は、
言うなれば他社が作るような「経験者求む」の3Dゲームではなく、

「未経験者歓迎」の姿勢で作られた、
3D調教を兼ねたタイトルなのである。


スーパーマリオギャラクシー２には、
これでユーザーが3Dに馴れてくれたら、

他の3Dタイトルも伸びるに違いない、
いや、
伸びてほしい！
そうした作り手からの強い願いが籠められている気がする。

その「3Dタイトル」とは、
いったい何か。

それは任天堂のゲームに限らず…というか、
むしろ他社が得意とする、

Wiiでは鳴かず飛ばずの「ゲーマー向け」とされる3Dタイトルの多くである。