全体としては微妙です

毎年、
3月位になると各社から色々とコンクールの選曲用CDが出てくるが、
この盤もそれ。
フォスター・ミュージックという最近出来た出版社が出している。
演奏は日本のトッププロ吹奏楽団の1つ、
海上自衛隊東京音楽隊、
指揮は海上自衛隊東京音楽隊長、
河邊一彦2等海佐、
加養浩幸。
邦人作曲家の作品半分、
クラシックの新アレンジ物(邦人作曲家による)半分と言った選曲、
しかし問題なのは邦人作曲家の傾向が偏っている事。
いわゆる今をときめく人気作曲家の新作勢ぞろいと言った所だろうが、
肝心の作品の質自体疑問だし、
スクールバンドを意識しすぎたような作品ばかりだ。
アレンジ物に関して特にアマチュア作曲家アレンジに言える事だが、
薄い管弦楽法かと思いきや、
ブカブカ鳴ったりと原曲がよく知られているだけに結構気になる。
演奏についても抑えた演奏であり、
特に加養氏指揮の曲はそう感じる。
曲を勉強するには良いのかも知れないが、
聴くだけならはっきり言ってつまらない。
一方河邊隊長の指揮の曲はアルベニスと、
瀬戸口藤吉の2曲だけだが、
楽団と息のあった見事な演奏だ。
特に瀬戸口藤吉作『軍艦行進曲』は、
海上自衛隊の正式行進曲だけあり手慣れた感があり上手く、
トリオでの抑えた管楽器と豪快なバスドラム&ティンパニの対比が印象に残る。
さすが、
音楽隊と思わせる演奏。
録音については極上とは言えないが、
吹奏楽系のCDでは良いほうだと思う。