オズファンなら読むべし

『オズの魔法使い』、
『オズのエメラルドの都』、
『オズのグリンダ』のボームを代表する三作がペンギンから出ている本です。
挿絵はデンスローとニールのものが使われていて、
出版当時のもの。
注はオズ研究家のジャック・ザイプスが執筆しており、
非常に興味深い。
ザイプスいわく、
｢ボームはアメリカに欠けているものに気づいていたため、
オズはボームの青写真へとなっていった｣そうだ。
この三作はいわゆるユートピア小説であるが、
アメリカ大衆がオズを愛してやまないのは、
この三作を読めば必ずわかるはず。
ユートピア小説なだけに、
お金、
病気という概念はなく、
誰もが平等な社会。
それはいわゆる｢平等、
自由、
幸福の追求｣を掲げたアメリカの理念ではないだろうか。
児童書ではあるが、
大人は大人なりの視点から読めば、
一味違う読み方ができるだろう。
さらにはザイプスの注を見ながら読めば、
当時のアメリカの様子がオズに描かれていることがわかるので、
さらにおもしろい。
興味を持たれた方はさらに残りの１３冊をご覧になることをお勧めする。