三国時代、畢わる

司馬昭が亡くなるところで、
完結となります。


司馬昭に関しては司馬懿の息子で司馬師の弟という位の
認識しかなかったのですが、
ここまで器が大きく、
仁のある
人だとは知りませんでした。


なんというか、
曹操から苛烈さを抜いたような人でしょうか。

この人が三国時代を終わらせたリーダーというのも、

天の配材なのかしれません。


また同じく負けた方のリーダーとして劉禅もいるわけですが、

その描き方に、
愛を感じます。


確かに有能な人ではないし、
国を滅ぼした原因であることは事実です。

でもこの人が降伏の決断を下したことで、
蜀の民は悲惨な戦火を免れたわけです。

民に対する愛情をもっていた人でしょう。


劉禅の降伏文章には、
よけいな修辞等が少なく簡潔で、

　
　「ぞんがい素直な文章である」

というのは、
とてもうなずけます。
やはり親父さん譲りの徳に守られてた
のではないかと思います。


最後に蜀の羅憲が呉から永安城を守り抜いたところに、
滅びた国家に属した人間の
意地と誇りを感じました。