2時間15分に及んだロングインタビューで振り返る野茂伝説。そして、後に続いた選手たち

「とにかく、
腕を振るしかない。
押し出しになってもいいから、
バッターに向かって、
思いきり腕を振ろう。
それだけを考えていました」（野茂英雄）。


1995年に野茂英雄選手がロサンジェルス・ドジャースでデビューし大旋風をおこす。
あれから20年。
1964年に村上雅則投手がサンフランシスコ・ジャイアンツで活躍した例はあったものの、
野茂以降、
日本人野球選手にとって、
メジャー・リーグでプレーすることは単なる憧れではなくなった。
野茂選手が海を渡った以降の20年間で合計55人もの日本人メジャーリーガーが誕生しているという。


2008年に引退した野茂氏の独占ロングインタビューの記事が目玉となっている。
インタビューは2時間15分にも及んだという。
メジャー・リーグでトルネード投法とともに衝撃のデビューを飾ってプレーし、
ひざ痛後の軟骨除去手術から復活してその後のことまでいろいろ語っている。
「日本では高めの速球で三振をとっていましたけど、
こっちではまるでそれが通用しない」と低めに投げることを強く意識しなければならなかったことや、
もう1回20歳くらいに戻れたとしても「多分前と同じように思いっきりいくと思います」と断言しているところなどは印象に残った。
「ファンへの感謝の仕方がわかっていなかった」ことと、
手術からの復帰をあせってリハビリを急ピッチにしてしまったことには少し後悔があるようだが、
かつて全米をそして日本の野球ファンを大いに沸かせた野茂ブームの始まりから20年経った野茂は、
今でも真っ向勝負の気持ちを失っていないあの野茂だと思った。
MLBへ行くまでのことや、
「NOMOベースボールクラブ」、
その後多くの選手がメジャーに挑戦していることについても語っている。


「日本人メジャーリーガー」完全名鑑には、
今までの全ての日本人メジャーリーガーのひと口紹介と成績が載っている。
野茂やイチローのような例もあるが、
こうしてみると、
MLBで継続して活躍するというのは簡単なことではないのだな、
と改めて思った。
ちなみに、
出身地別で一番多いのは大阪府の10人である。
「もう一つの挑戦記」として、
審判として2度アメリカで挑戦した平林岳氏、
内助の功の2人の奥さんの話、
初の日系人監督を経験しているドン・ワカマツ氏をとりあげたコラムが加えられている。