明治維新の原動力となった書

いくら福澤特有の平易な文体で書かれているとはいえ、
やはり原文だと現代の若者には若干読みづらいと思った。
それにしても、
まだ議会も存在していなかった明治の一桁代の時分に、
これほど国際情勢に明るく、
仔細にわたって文明を論じることのできた福澤はやっぱり凄い。
あの当時の世界からすれば、
まだまだ未開の一辺境に過ぎなかった当時の日本で、
福澤のような人物が存在したことは奇跡的と言い得る。
本書も『学問のすゝめ』や中村正直の『西国立志編（スマイルズの自助論の本邦初の邦訳）』と同様、
当時の志高い若者を鼓舞し、
明治維新の原動力となった重要な書物であることは間違いない。
一読の価値あり。