反転授業の考え方とビジョンが分かる入門書として好適な本

本書は、
コロラド州の高校教員として化学を教える著者の２人が、

実際に授業で反転授業を導入することになった契機、
背景、
影響、

今後の課題などを、
自らの経験に基づいてまとめた訳書である。


反転授業とは一般に「説明型の講義など基本的な学習を宿題として
授業前に行い、
個別指導やプロジェクト学習など知識の定着や応用
力の育成に必要な学習を授業中に行う教育方法」（p. 3）である。


具体的には、
学習内容のビデオを視聴した上で、
内容をノートにとり、

具体的な質問を用意して授業に臨むこと、
そして教師は個々の学習者
に応じて適切な課題や質問や方向性などを投げかけるというものである。


ただし、
この方法論は絶対的なものではなく、
反転授業とは学習者と
学習に焦点を置いたビジョンであるということが指摘されている。
した
がって、
必ずビデオを家で見せなければならないというわけではなく、

状況に適したかたちで、
試行錯誤しながら、
学習と学習者を主体にした
取り組みにすべきという考え方である。


本書では、
著者２人による反転授業への試みの様子が実践者の視点から
詳述されている、
入門書として好適な本である。