明らかになった「オール沖縄」の内側

去年(２０１４年)の県知事選挙は疑念に満ちたものであった。

保守系の人間である翁長氏が「革新系」の候補者として選挙に立候補し地元沖縄のメディアは"保守分裂"を大々的に報道した。


このことから選挙期間中「辺野古移設に反対」であることが沖縄の"民意"であり「イデオロギーよりもアイデンティティー」を掲げた(いわゆる)オール沖縄キャンペーンが展開された。
一見すると翁長陣営の思惑通りに政治的思想を超えて沖縄が一つにまとまっているかのような錯覚に陥るが現実は違っていた。


"保守分裂"が言われている裏で革新系もまた"分裂"していたのである。


この本に記されているが、
翁長氏を「革新系の候補者」として擁立したことがきっかけで革新系の重鎮が反発し選挙協力を拒んだのである。
つまり、
翁長陣営は保守・革新から分裂した人たち「オール沖縄」というイデオロギーをもった人間の寄せ集めであると言っても過言ではない。
そうであるにも関わらず、
地元メディアは辺野古移設反対を内外に印象付けるため反仲井間一色の報道に徹することで、
沖縄の"民意"を演出したのである。


翁長氏が安倍首相に対して「沖縄にある基地は"銃剣とブルドーザー"によって押し付けられたのであって、
沖縄住民が差し出したものはない」と言った様であるが過去の歴史を蒸し返して非難ばかりするのもどうかと思う。
どこかの国が過去の歴史を蒸し返して非難した結果、
国際的に孤立したことは周知の事実であろう。
その国と同じ様に翁長氏が歴史問題を政府との交渉カードとして使い続けるならば、
いずれ沖縄は孤立し地元有権者からもそっぽ向かれるだろう。


また、
辺野古反対派のなかには「オール日本 VS オール沖縄」を掲げる者もいるらしい。
この様に対立を煽ることばりやっていると問題の本質を見失い迷走するのではないか。
彼ら反対派は目の前にある問題を解決しようとする気持ちがあるのか、
それともただ単にネガティブキャンペーンを行うためだけに「反対」を主張しているのか、
彼らの目的が分からない。