すぐそばにいる、美しく、ミステリアスな仲間たち

ボリュームたっぷりで読み応え十分である。

といっても、
ベテランの科学ライターである著者の文章は平易かつ非常に魅力的なので、
どんどん読み進んでいける。


鳥の起源、
鳥と人間の違い、
色々な種の（この「種」についても長い解説があるが）鳥の紹介、
渡りや繁殖といった生態、
鳥の知能とそれを研究することの意義といった内容が、
最新の知見を踏まえ、
軽妙な語り口で綴られていく。

紹介される鳥が、
日本では馴染みがなく、
もちろん見たこともないようなものが多いにもかかわらず、
そのことで退屈するようなことは一切ない。


鳥は、
地球上の生物の中でかなりの数を占め、
繁栄してるように見えるが、
一方で現代は最大の危機の時代と言えるだろう。

多くの種がここ数百年で絶滅し、
さらにその数は増えようとしている。

なぜ彼らを保護する必要があるのか、
その問いに答えるためには、
彼らのことをより深く知る必要がある。

本書はとにかく読みやすいので、
ぜひ若い方にも手にとっていただきたい。

もっと挿絵などの図版があれば、
もっと楽しかったと思うが、
これ以上本が厚くなるのも問題かもしれない。
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