韓国が反日に傾倒していった過程がよくわかります
本書のサブタイトルになっている、
「「韓国人」はなぜ日本を憎むのか。
」については、
本書の中で多岐にわたって様々な説明がなされていました。
・歴史的民族的土壌(華夷思想に基づく「小中華」としての韓国の誇りと日本蔑視・侮日観(90頁乃至109頁))
・韓国人のなんでも他人のせいにしたがる性質や「恨嘆(ハンタン・自分がいかに不幸かを嘆くこと)」(142頁)
・小学校の反日教育(日本によって民族が蹂躙された、
奴隷のように扱われた等、
129頁)
・「日本の征韓論(だと韓国人が信ずるもの)」に対する対抗心(110頁以下)
・身内正義の価値観(130頁以下)
・韓国のうらみの観念(134頁以下)
等々です。
しかしそれよりも、
私には第2章で概略が説明されていた、
戦後日韓の国交を回復してから、
反日政策に転向していった韓国の態度の変遷が大変勉強になりました。
この辺の現代史は、
日本の中学・高校でもお茶を濁して終わりにしてしまうため、
日本人でも知らない方が多いのではないかと思います。
(※既に呉善花氏の著作を幾つか読まれている方には重複部分があるかもしれません。
)
まず、
初代大統領李承晩時代。
李承晩は米国で反日活動を行い、
親日派(ここでは何らかの形で日本の統治政策に協力した者、
の意)を除く建前を掲げながらも、
実際は親日派を国家建設に重用していました。
また、
韓国の独立についても、
米国の力を評価していました(55頁乃至58頁)。
次の朴正熙政権時代においても、
朴正熙は「日韓併合は韓国人自らが選択したもの」と発言し
「もし(日本ではなく)清国を選んでいたら、
清はすぐ滅びて、
もっと大きな混乱が朝鮮半島に起こったろう」としています(61頁以下)。
更に、
1990年5月25日に盧泰愚大統領が来日した際には、
国会において
「我々は、
国家を守ることができなかった自らを反省するのみであり、
過去を振り返って誰かをとがめたり恨んだりしません」と演説しています(63頁)。
その他の感想
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