完結編としてあまりにお粗末な出来

Zシリーズ完結編とは言ったものの、
シリーズの集大成にふさわしい盛り上がりは皆無。

見たことも聞いたこともないオリジナルキャラクターが跋扈し、

勝手気ままにユーザー置いてきぼりの物語を展開する。


シナリオの三分の二はオリジナル勢力との戦いであり、

版権作品の敵とはほとんど戦わない。
時々版権キャラが出てきても、

全部オリジナル関連の話か、
それに類するところに行き着いてしまうため、

「オリジナルを引き立てるための版権作品」といった感が強い。

結果としてプレイヤーは、
全シナリオについて大して思い入れもないオリキャラの三文芝居を見続けることとなる。


戦闘アニメも良くない。
動きの良い物もあるが、
悪い物も多く、
担当者次第と言ったところ。

個性があると言えばいいが、
クオリティのコントロールが全く行われておらず、

好きな作品の戦闘アニメが全然動かないとガッカリだろう。

例によってオリジナル勢力の戦闘アニメーションは力が入っており、

ここでも思い入れのないオリキャラが画面狭しと動き回るところを見せつけられる。


そういった盛り上がらない展開にもかかわらず、
ゲームプレイはかったるいの一言。

中途半端に堅くてうっとうしい敵を、
チマチマ削ってシナリオを攻略していくのは苦痛以外の何物でも無い。

内蔵BGMの置き換え機能もついているが、
音楽を変えたところでゲームプレイが劇的に変化するわけもなく、

終始「作業」を強いられることになる。


シリーズの集大成とはとうてい言えない出来であり、
むしろこれからのスパロボがどうなるか心配になる。

こんなどうしようもない話をシリーズのラストに持ってくるようなスパロボに、

もしお気に入りの作品が参戦してしまったらどうなるだろう？　それを考えずにはいられない。

ありもしない設定を押しつけられてキャラクター崩壊するのか？
重要なエピソードが簡素に再現され、
力の入ったオリジナル三文芝居を見せつけられるのか？
もうこのシリーズでスパロボは終わらせてしまった方がいい。
本気でそう思うことだって出来る。