「世界には学校に行きたくても行けない子が」

ある意味では、
比較的貧しいいくつかの国の子どもたちが登校する様子を撮影しただけのドキュメンタリー映画ともいえる。

しかし、
危険な象のいる草原や険しい山道などを通って、
1時間から数時間以上もの時間をかけて登校する姿には不思議な感動を覚える。

けして恵まれているとはいえない環境の中でも、
学校に通い学ぼうとする子どもたちの歩みは、

教育を享受することが当たり前になってしまった我々の状況が、
世界的に見れば当然などではないことを語っている。

「世界には学校に行きたくても行けない子がいる」というような、
貧しい国の子供を引き合いに出す文句はもはや陳腐なものになってしまった。

だがこの作品は、
その陳腐な言葉の裏にはいかに重大な価値が隠れているかを示してくれる。