短編のようで中身はシッカリ！

もともと読みやすく手頃なページ数の本が多い著者ですが、
今回はその中でも特に短く、
ページ数が少なく感じました。
実際、
139ページは他の喜多川作品の半分ほど。
より短くまとめることにチャレンジしたのかなと思わせられるほどでした。

読み始めて、
最初に感じたのは、
いままでの作品なら後半にでてくるような主題とも思える会話。
もう種明かしなのか？と感じてしまったほどでした。
しかしそこは12作品目ですから、
シッカリ後半でまとめられているので最後まで読みましょう。
最後に気づかせてもらえる内容もあります。

内容は著者の人生観というか、
人生哲学を小説で旅になぞらえて表現してみたという感じで、
小さな作品にギュッと凝縮されています。
夏休みの始まりに中高生が読むには最適。
去年までとは違った、
良い夏休みを過ごせそう。
中高生が、
ここから喜多川作品の世界を始めるのも悪くないです。
そして我々大人でも、
なるほどと思えます。
「不自由」な「自由な旅」、
いいですね。
読む前にはわからないこの言葉の意味を探してみてください。
そして、
人生での出会いの意味にも触れています。

短かったので少し物足りなく感じましたが、
今回も心が洗われる良書です。
オススメです。