ウィットと知的刺激に満ちた大作
この巻は、
文学理論の歴史を扱う二つの章、
終章、
そしてかなり詳しい「新版のあとがき」から成っている。

第4章「ポスト構造主義」では、
デリダの脱構築、
後期バルトの「作者の死」といったテーマが詳しく論じられる。
文芸批評家としては、
ポール・ド・マンらイェール学派が取り上げられる。
著者はデリダを高く評価しているが、
デリダの政治性を欠いたイェール学派に対する著者の筆致は、
ことのほか厳しい。


第5章「精神分析的批評」では、
フロイト、
ラカン、
アルチュセールの思想がかなりくわしく解説される。
とくに、
ラカンの解説が素晴らしい。
精神分析的文芸批評としては、
ハロルド・ブルームとクリステヴァが取り上げられる。


終章「政治的批評」では、
いよいよ著者自身の立場が明らかにされる。

著者は、
文学理論は、
つねに政治的なものであると主張する。
一見、
政治とは無関係な教養主義的な文学理論も特定の政治を擁護しているのだ。

さらに著者は、
文学理論には「文学」という定められた対象がなく(何が「文学」であるかは、
時代と立場によって変わるのだ)、
依拠すべき万能の方法もないことを主張する。
このことは、
文学理論の歴史を通じて明らかにされたことである。

そのうえで、
著者は、
やってみたいことから出発しよう、
そして特定の学派にこだわらずに使える理論はどんどん使おう、
と提案する。
ある意味、
とてもシンプルで、
身も蓋もない言葉だが、
このような自由な文学研究は、
著者の時代の英国の大学では(そしておそらく今日の日本の大学でも)きわめて稀少だったのだ。


本書は、
1983年に書かれた。
1996年の新版に際して書かれたのが「文学理論の現在」というあとがきである。

ここでは、
フェミニズム、
マルクス主義、
ポストモダニズム、
ポストコロニアリズム。
文化理論などが扱われている。


なお、
この本のもうひとつの魅力として、
著者の隠れたユーモアのセンスがところどころでほとばしり出ていることがある。

それは、
大仰な笑いを取りに行くユーモアではなく、
英国流の渋いユーモアだ。


何はともあれ、
すごい本である。
文学だけでなく、
人文思想一般に関心を持つ読者に強く推薦したい。
文学とは何か――現代批評理論への招待(下) (岩波文庫)

その他の感想

ある意味発明かも
わくわく、どきどきしながら遂に完読!
プログラムの勉強を始めました
どの号も読み応え満点です
まあ こんな もんでしょう!!?
手頃です。
お尻がつるり
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