シンプルな編集にして『孟子』の魅力を余すところなく紹介

中国古典翻訳の泰斗・守屋洋先生の孟子入門書。

広く知られ出版される書籍が後を絶たない孔子の『論語』に比べると
『孟子』は著名であるのとは裏腹に、
その書籍点数は存外少ないことに驚かされます。


「孔孟の教え」という表現が端的に示すように、

孔子の教えの正統な後継者が孟子であるのは周知のとおり。
。

その孟子の言説をまとめた『孟子』は、
「理想的なリーダー」を提示した格調高い書物。


守屋先生は、
中国古典を題材に多くのビジネス書を上梓されておられますが、

本書はシンプルな編集にして『孟子』の魅力を余すところなく紹介。

「修養」「人生」「処世」、
「応対」、
「政治」と5章で編集されています。


吉田松陰先生による孟子の講義録『講孟箚記』は有名ですが、

人の上に立つ者は『孟子』を読むことで、
自分自身を磨くことから始めたい。


いま、
安倍政権のもと、
長らく続いてきたデフレという閉塞感が打開されようとしています。

「性善説」「王道政治」をいま『孟子』から学ぶことの意義は大きいのでは。

折に触れて、
漢文読み下し文を素読しながら、
守屋先生の名訳と解説を熟読玩味したい。