ゲーテはあの世で怒っているに違いない

まず、
新潮文庫の「ゲーテ格言集」の方が100倍良い。


以下、
本書について。

訳し方があまりに幼稚過ぎる。
いくらゲーテを等身大に感じてもらおうという魂胆があっても、
これはやり過ぎだろう。
読むに耐えない。
ゲーテ好きの自分にとって、
かなりショックを受けた。

訳者は、
ゲーテが「あの世で笑顔でうなずいてる」という風なことを言っているが、
ゲーテはこのような低俗な訳し方をされて、
きっと、
怒り心頭だろう。
ゲーテは柔軟な精神の持ち主であると同時に、
気高い人間でもあったのだから。

以下、
箇条書き。


・分かりにくい余計な解説が多すぎる。

・一般の読者には評価できる事項かどうか分からない訳者経歴が長々と書いてあって、
胡散臭い。

・中身は低俗にも関わらず、
装丁がやけに豪華。

・ゲーテの自筆の絵画が散りばめられているのは嬉しいが、
まるで、
ゲーテ好きを引き寄せる餌のよう。


PHPには良書が多いと感じていたのに、
残念だ。