読書と人生。この素晴らしい関係を知らされる名著

　「私の読書の特徴は、
苦境脱出の手段を求めて、
むさぼるように読んだ」と語る、
越智社長の魂の血となり肉となった50編の漢詩が紹介されています。
漢詩作者は、
項羽、
劉邦、
曹操などの三国史の英雄から西郷南洲、
福沢諭吉、
木戸孝充など日本の偉人まで知っている名前がたくさん登場しています。
ところが、
知っていた漢詩は、
意外とわずかであり、
自分の無教養を恥じました。
あらためてこの本で知ることができ、
良かったと思っています。

　漢詩については、
今の自分の心に響くものはけっして多くはありませんでした。
でもそれは「古典は読む者のその時の年齢とか立場とか精神状態によって受け取り方も違います」という越智社長の言葉があり、
あまり気にすることはないと、
漢詩を楽しんで読み返しています。
漢詩ごとに、
その漢詩との出会いやエピソードが、
ちょうど良い長さで語られており、
とても読みやすい構成。
折りに触れて手にとって読んでいます。

　「本とは人間が困った時、
自在に変身して助けにくる観世音菩薩の代表のように私は思って読んできました」という言葉が、
とても印象に残っています。
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