これだけまとまったユニークな和書はなかった

画期的な一冊と思います。
なんといっても和書でこれだけの戦闘機レシプロエンジンを詳細解説したものはなかった。

セレクトも上手い。
バランスよく、
倒立Ｖ１２のＤＢ系、
正立Ｖ１２のマーリン、
スリーブバルブのセントーラス、
そして
ベンチマーク的なライトサイクロン。
圧巻は、
ＢＭＷ８０１の「コマンドゲラート」の分解解説図。
これは、
知る限りでは
洋書でもなかなかなかった。
しかもキッチリ中島栄２１型や、
珍しい旧ソ（現ロシア）のシュベツォフまで。

（これはＦｗ１９０の復元機に使われたから、
という事情はありつつも）

全てのエンジンが、
実物の鮮明な写真で細部の分解状態まで判ります。
しかもＤＶＤの特典付き。
これはお値打ちでしょう。

惜しむらくは、
加えるならクリモフ・イスパノ系のＶ１２と、
アリソン系でしょうか。
あとかの怪物、
７気筒×４列という
Ｐ＆Ｗ　Ｒ−４３６０くらい。


いままでの定番と言えば、
日本語版ならビル・ガンストンのシリーズが古典的網羅。
また、
最近では、
名作・傑作エンジン
図巻というのもあります。

敢えてグリフォンを外したのが渋いところ。
ロールス系は洋書資料で非常に緻密なものがでているので、
そちらを、
と
言う事でしょうか。
オツなものです。
ディープマニアにも初心者にもお勧めです。


ビル・ガンストンの古典
世界の航空エンジン〈1〉レシプロ編
最近のユニークな１冊
名作・迷作エンジン図鑑―その誕生と発展をたどる