ヒロイン、ヒーロー共に可愛いです

　書物が大好きな、
見目麗しくないヒロインと、
「首狩り帝」という恐ろしい呼び名を持つ若き皇帝とのやりとりにほのぼのするお話でした。

今作品を読んでいる間、
桃霞が何回色んな人物達に醜女呼ばわりされていたことか・・・それでもへこたれず、
自分の好きなことに熱中するところに好感が持てます。
　　書庫で出会った燎飛に恋心を抱いてからも、
彼女なりに何か尽くそうと頑張っていたのも良かったですし、
燎飛も周囲の言動など気にせず桃霞を愛でる姿が微笑ましくて。

それに、
書物好きなキャラだけあって、
互いの想いをそれとなく漢詩で伝えあっているのも素敵でした。
　　ここら辺、
和訳と共に美しい情景に引き込まれました。
　
欲を言えば、
仙術を使う鹿太師のこととか、
九鬼神と国との絡みの部分などをもっと詳しく読みたかったです。
　　ヒーローが持つ、
「首狩り」という処断の仕方も独特でしたし、
龍気を持つ者達の陰謀とかもそこそこあったので、
事件解決後の二人の様子とかももっと見てみたいな、
と。
　　全体を通して読みやすいですし、
中華＋ファンタジーが好きな方にはおすすめです。

イラストも愛らしく、
何気にヒロインが作ったあの黒い物体が表紙でも、
モノクロイラストでも見れたので嬉しかったです！　　続編とか出たらまた読みたいと思うくらいには、
気に入った作品です。