そして家族は祖父母を残し、引っ越していった・・

トルーマン・カポーティの短編を村上春樹が訳し、
山本容子の版画による挿絵で飾った。

アメリカの学校もないような田舎に住む少年。
ストーリーはこの少年の視点で語られる。

祖父母、
両親と「僕」の５人家族。
だが、
痩せた地所を嫌い貧しい生活から抜け出すこと、
子供にきちんとした教育を与えるため、
父は妻子３人で引っ越すことを決心する。

後に残される祖父母。
少年は、
祖父母とは別れたくはなく、
引越しの日までに祖父がいつも語っていた「秘密のこと」を使って、
いままで通り、
いっしょに住めるようにしてくれるのではないか、
と期待している・・。
だが、
冷厳と引越しの日はやってくる・・・。

少年の祖父への思いがあふれるストーリー。
ラストがずっと後に残る・・・。