今一つ「業界の動向とカラクリを理解できた」気にならない

印刷業界も多様とはいうものの記載内容が今一つ雑多で、
本書を読んでも今一つ「業界の動向とカラクリを理解できた」気にはならないのではないか。

例えば、
本書４章では「印刷関連産業を俯瞰」とされているが、
ここでもっと多様なビジネスモデルに関する説明があって良いのではないか。
本章での明記は見当たらないが、
複写機をリース等で調達し１枚10円そこそこの売上を実現している事業者は極めて多い。
この他にも、
印刷業界を巡るフランチャイズビジネスは大々的に紹介されて良いのではないか。

尚、
本書の前書きでは昨年の停電の影響にも言及されている。
このため電源不要で、
数十年前の国内、
最近の途上国で普及した、
謄写版の存在が気になった。
しかし、
本書では謄写版に関する詳しい説明は見当たらない。

内容的に今一つ期待はずれ。