痒いところに手が届く指南書

ジャズサックスを学び、
セッション参加を目指す人のための懇切丁寧なガイドブックです。
すでにセッションに参加している人にとっては、
手癖やお約束フレーズだけによる演奏から脱却し、
ワンランク上の演奏を目指すための知恵袋です。


著者は都内近郊を中心に各地でライブ活動を精力的に続けるかたわら、
セッションやレッスンを通じて後進の指導・育成に力を注いでいるジャズサックスプレイヤーです。
アマチュア演奏家が抱える疑問や問題点など、
言わばセッションの実際を熟知している著者ならでの経験から生まれた知恵と工夫が本書の随所に盛り込まれています。


コード理論についての基礎知識、
セッション参加ためのルールや演奏中の注意点、
演奏を完成させるためのコツを、
まるで自分の生徒に語りかけるように解説し、
セッション参加の「理論と実践」の橋渡しの役目をするのが本書です。


付随するＣＤには、
以下５曲の模範演奏とマイナスワンが収録されています。

1.Bag’s Groove
2.You’d Be So Nice To Come Home To
3.Bye Bye Blackbird
4.Night And Day
5.Softly As In A Morning Sunrise

いずれもセッションの定番曲です。
初心者を対象にした類書にも同様のＣＤが付いていますが、
ほとんどの場合、
曲の模範演奏とマイナスワンは「前テーマ→アドリブ→後テーマ」という構成です。
しかし、
実際のセッションでは多くの場合、
アドリブと後テーマの間にフォーバースが入ります。
本書のＣＤはその点を考慮し、
フォーバースを入れた構成になっており、
より実際のセッションに近い構成になっています。


近年の楽器ブーム、
とりわけサックスは人気が高いこともあってか、
数多くの教則本が出版されています。
それらの多くは、
曲のコード進行やアドリブ・フレーズの作り方などについての説明が簡素すぎて、
初心者にとってはよく理解できず、
書かれてある内容をどのように応用して自分のフレーズを作ればよいのか、
途方に暮れる場合が多いのではないでしょうか。
私自身がそうでした。