プッチーニ唯一の喜劇、オペラ入門用にも最適

　「ラ・ボエーム」 「蝶々夫人」 「トスカ」 「トゥーランドット」
などの名作を生んだプッチーニの唯一の喜劇。
アリア「私のお父
さん」が有名であるが、
オペラ全曲のCDやDVDがあまりないので、

演奏や演出についての比較はできないが、
なかなか面白い。

　遺産相続をめぐる親族の争いを主人公のジャンニ・スキッキ
がまとめる物語。
ストーリーがわかりやすく、
１時間程度なので、

初めて見る人でも飽きることがない。
「私のお父さん」のメロディ
の一部は、
この作品の中でテノール歌手がフィレンツェを讃える歌
に使われており、
それがフィレンツェを舞台にした映画「眺めの
よい部屋」のテーマ音楽に使用されている。

　オペラというと、
やたらと人が死んだり、
ソプラノがキーキーとかん
高い声で歌ったり、
神話や歴史的背景がわからないとストーリーや
人物関係がわかりにくかったりして、
初心者にはなかなか楽しめ
ないものであるが、
その点、
この作品などはおすすめである。

　登場人物の大部分が最初から最後まで舞台にいるし、
話がそれ
たり、
過去の回想をしたりすることもなく、
しかも相続争いという
現代的なテーマであるのでわかりやすく、
一応は恋人同士がむす
ばれてハッピーエンドになるので、
楽しく見ることができる。