あくまで演習書として割り切りが必要

パート5・6の問題を合計8セット（計416問）解く問題集です。
同著者による前著のオレンジの表紙の本は計489問でしたので、
問題数は前著の方が多い計算ですが、
一通り解いてみたところ、
2008-2009年のTOEICで出題された問題が非常に多く盛り込まれているので、
最新の傾向が反映されている点でこの本に取り組むメリットはあると思います。


著者が恐らく定期的にTOEICを継続受験されていることが問題内容からも分かりますし、
問題自体の質はよいと思うのですが、
解説が非常に物足りなく感じました。


「この空所に入るのはAしかありません」「正解以外は意味が通じません」といった程度の解説しかないので、
なぜ間違いの選択肢が間違いなのかが良く分かりません。
「AしかないからAが正解です」と言われているような印象を受けてしまいました。
「ABCは一見正解に思えますが、
不正解です」と書かれているのに不正解の理由がなかったりする個所もあり、
全体として、
解説を読んで深く理解することはできません。


問題量が多く、
解説のスペースに限りがあるのは分かるのですが、
この解説量では、
初中級者だとなぜ間違ったのかが分からないでしょう。
読者ターゲットとしては、
上級者で、
TOEICに出そうな問題をたくさん解き、
とにかく感覚を養いたい方の演習素材としてはよいと思います。
ただし、
その場合も、
間違いの選択肢がなぜ間違いなのかといった理由は深追いせず、
正解のみを覚えた方がよいと思います。
あくまで演習書、
と割り切れば、
最新の問題の傾向が反映されているので、
スコアアップに即効性がありそうです。